カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

SFは(今や)世界の行く末を指し示さない

先日、とある漫画原作のアニメ作品のamazonレビュー欄に関する議論が

ネット上であった。自分は造詣が浅いので詳しく触れずに話を進めるが

簡単に説明すれば「SFは何故流行らなくなってしまったのか・・・?」

その理由がそのレビューにあるというものだった。

 

自分は熱心なアニメファンでは無いし、映画や小説など過去に触れた事のある

ものは多数あれどSF作品全般に対して明るいわけでもない。

 

そのアニメも漫画も見たことはないのでレビューに関しては的を得ているのか、

或いはそうではないのか判定する事は出来ないのだが、読んだ印象としては

『最初から低評価を付ける事を目的に念入りに粗捜しをして書いた文章』

と言うようなものだった。

 

任天堂ハード向けのゲームが発売になると日付が変わってレビュー投稿が

出来るようになった直後から低評価レビューが複数付くような事があるが、

それとよく似ている。

 

・・・だから

「このような読者ばかりになってしまったからSFは流行らなくなった」

のだという説に関しては、必ずしも当てはまらないのではないかと感じた。

むしろ投稿者がその作品のアンチだっただけなのではないか?

 

そのようなレビューが一番共感を得て表示順で上位に来ている事から

「このような読者ばかりになってしまった」と解釈したのかもしれないが

先にあげた任天堂ハード向けのゲームにおける低評価レビューの例と

根の部分は同じなのではないかと感じた。

 

自分はSFが流行らなくなったのはSFの持つ未来感が薄れてしまった事と

カジュアルさとの縁遠さやファッション性を盛り込みにくい事などから

ユーザー、作り手、共に敬遠されて行ったからではないかと思っている。

 

それにゲームの分野に目を向ければSF的なものは幾らでも見付けられる、

人によっては食い飽きているだろう。

 

そう言った事情からSFに『いま感』を感じない(使い古されている)事が

流行らなくなった理由の大部分を占めているのではないかと思う。

 

その代わりと言ってはなんだが、ポストアポカリプスに分類されるような

作品はとてもよく見かけるような気がする。

 

つまり今時の人々の関心は「留まることなく発展し続ける未来」よりも

「破綻して滅び行く先の世」の方にあると言う事かもしれない。

 

色々な意味で『末期』ならではの現象なのかも。