カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

特に見るべきところ無しで不評

お試し版を公開して数日、現時点ではこちらの予想通りの反応と言った印象。
面白いか面白くないかで言えば「面白くない」に振り子が振れるでしょう。


それはもう何度も書いてるんで特に改めて言う事でもないです。
このゲームは・・・「初心者の為の」と言う冠が何故だか付いているけれど
ここで言う初心者って言うのは「シューティングの初心者」では恐らくないです。


普段から相当量ゲームで遊ぶ人たちのイメージする「シューティングの初心者」は
恐らく好きそうだけど「シューティングの苦手な人」を指すんだろうと思います。


私の考える初心者は
シューティングゲームのことを良く知らない人たち」です。
或いは「テレビゲームのことを良く知らない人」かもしれない。


シューティングゲームが好きな人は・・・かなりの確立で「アニメ好き」
なのではないかと思います。


かつて、ゲームのジャンルがアクションかシューティングしかなかった時代、
ゲーム好きは特に何かを考えることもなく、普通にシューティングゲーム
遊んでいました。そりゃあそうです。だってそれしかないんですから。
オタクにも色々と属性ありますが、違う趣味でも皆が同じゲームを楽しめた。
いい時代でした。


でも今は・・・違いますね。
飛行機好きならばフライトシムが最適でしょうしガンマニアやミリタリ系の方ならば
コンバット系や潜入系など色々ありますがFPS・TPSに流れていくでしょう。
SF好きならばSF系のアクションADV(FPS・TPSも含め)がお好みなのでは?


さて・・・では、今「シューティングゲーム」を遊ぶユーザーと言うのは
どの様な層なのか・・・?ブームがあったのが遥か昔なので、年代的には古参の方々が
当然と言えば当然ですが多いでしょう。その世代にとっては日本のアニメは特別です。
(でもアニメの解説は特にしませんよ)代表格が“ガンダム"でしょう。


前にも書きましたがシューティングゲームに「ガンダム追体験」を求めるのは
ある種必然なのではないかと。なんせオタク文化の象徴そのものですから。


するとユーザーは表現方法に親近性を持つテレビゲームにもアニメを求めます。
そして、アニメ的な表現に向いていたのが・・・シューティングだったのです。
アクションだとドット絵のパターンをたくさん持たさねばならず、アニメ的な
ゲームと言うとコミカルアクションに終着しますが・・・シューティングならば
プレイヤーが操作するのは大抵飛行機なのでアニメの枚数は少なくてすみます。


ガンダムのような世界観を表現するにはシューティングがとりわけ都合が
良かったんですね。同時期にSF映画ブームもありましたからゲームセンターには
日本のアニメっぽい絵柄のゲームと、劇画と言うか映画館の看板絵のような
リアルタッチのゲームとで入り乱れていました。


今思うと、それらが現在の「和ゲー洋ゲー」の住み分けとほぼ同じ意味合い
だったのではないかと。


そしてシューティングブームの直ぐ後にRPGブームがあり、この辺の時代が
日本のテレビゲームの黄金期の入り口となります。


ここを通った人は・・・大概ドラクエやFF、ゼビウスグラディウス
通っているはずです。RPGも・・・アニメ的表現を取り入れるのが容易です。


こうしてアニメとゲーム、2者は仲良く同じ道を辿っていきました。
・・・つまり、シューティングを遊ぶ人の多くはアニメも好きだしRPGも好き。
(当然例外もあるでしょうけどね、でも大枠で言えばほぼそうなります)


長らくこの関係は続きましたから、当然その様な傾向が見られるユーザーも
多いはずです。つまりそれが今シューティングゲームを遊ぶ人たちなのです。


さて・・・私はどうだったのかと言うと・・・ゲーセンの片隅に置いてある
1プレイ10円のゲームを黙々と遊ぶような少年でした。


特にATARIのゲームが好きでそれを置いてるゲームセンターを電車に乗って
探して通ったりしてました。洗礼を受けたのは・・・ルナランダーでしたね。
あれがカッコ良かった。筐体のデザインとクールかつシンプルなゲーム内容。
そして何度遊んでもどうにも攻略できない高難易度。


ゲームって言うのは・・・「デザイン=アートワーク」だ。
そう思いました。


まあ、それは全然関係ないんですが・・・とりわけシューティング好きと言う
ワケでもなかったんです。好んで遊ぶようになったのは・・・ゼビウスからです。


ブームだからと言うのも有りましたが、ゼビウス猫も杓子も遊んでましたよね。
あのゲームは全然簡単じゃ無かったです。当時としては高いプログラミング技術を
駆使して作られていましたが・・・技術は今のゲームとは比べられないでしょう。
非常にシンプルです。


どうして・・・そんな難しい、特に愉快な演出もない、ソリッドなゲームを?
ブームとは言え、何でみんなそんなに夢中になって遊んでいたんだろう?


まあ「ブームだったから」の一言でほぼ片付きますが、一方でそれで
ゲームの楽しさに目覚めた人も多かったはず。


では・・・果たして、ここで初めてゲームに目覚めた人たちは
そもそも「シューティングが苦手な人たち」だったのでしょうか?


遊んだ事がないのですから、苦手もクソもないでしょう。
正解は「苦手かどうかも分らない人たち」です。


苦手かどうか?はイコール、「上手・下手」の問題?
苦手だけど下手ではない人も居ますし好きだけど下手な人も居ますね。


つまり、「初心者」に向けられたものが初心者用に易しく(優しく)作られている
必要性は必ずしも、ないのです。システムが単純で誰もが一目瞭然分かりやすいこと。
初心者にとって必要不可欠なのは・・・シンプルさ。これのみです。


シンプルだから何も考えずに取り組めます。向き・不向きが一発です。
・・・そうしてテレビゲームを自分のものに変えていったのです。




ゲーム初心者の為にすべき事、制定すべきルール・・・
攻略法を考える必要もない。得点を稼ぐ為にコンボを狙う必要もない。
敵の出現順を覚えておく必要もない。何よりもルールの確認の必要がない。


それが・・・シュマップス・アカデミーです。
そう、ただシンプルなだけ。何も見るべきところがない。


ま・・・じゃあこれが本当に初心者に薦められるゲームなのかと言うと
作者自身が疑問を持つような内容ですから、怪しいもんですが・・・
一番初めに書きましたが、「ゲームのことを良く知らない人たち」の中にも
きっとシューティングゲームに向いている、高い反射神経や動体視力、
細かいレバーさばきの出来る器用さ・・・そのようなものを持ち合わせている
まだ目覚めていないシューターさんが恐らくは無数に隠れているはずなのです。


それを探し出す為に、私はこれからも変則的な"ツマンネェ"不評ゲームを
作り続けて行くつもりです。


アニメのようなカッコ良い演出もなく、洋ゲーのような映画のような重厚な
ストーリーも無く、ガンもミリタリもない。ギャルゲーですらない。
何も無いからこそ、今までとまったく違う人たちが・・・遊ぶかもね?
まあその可能性はほぼ無限大にゼロですけれどね。


ゲームなんて全然遊んだ事のないような小さな子供が何だか変なのがあると、
デタラメに遊んでいる・・・そんな光景が・・・見たいなぁ。


あ、この記事今思いつきで一気に書いたから漫画は用意してないです。スマン。