ほどけたSTGの遺伝子(中編)
地上物と空中物の撃ち分けは縦スクロールシューティングにおいては
進化の枝分かれの中でその子孫たちには継承されていかなかったが、
対して横スクロールシューティングでは比較的ポピュラーな要素として
継承されている場合が多い。
横スクロールシューティングの基礎を築いたのはスクランブルだろう。
スクランブルには地上物と空中物の撃ち分けがあり、その進化形とも言える
グラディウスで横スクロールシューティングと言う遊びはほぼ完成した。
(異論もあるかとは思うが殆どの横スクロールシューティングは
パワーアップシステムを除けば同じゲーム性を指向していると思う)
横スクロールシューティングは大きな変化を必要としなかったジャンルだ。
それは視点がサイドビューであることが一番の要因ではないかと思う。
(演出重視のジャンルとも言えそうだ)
サイドビューのゲームは3D表現が当たり前になった現在も作られ続けている。
それは見栄えが良いこともさることながら、「ゲームとして成立させやすい」
「何をすればよいのかが一目瞭然」などのとっつき易さ・ハードルの低さに
起因するのではないだろうか?
トップビューで見栄えを良くする為にキャラクターサイズを大きくすると
キャラで画面が塞がれてしまい、フィールドの表示可能な領域が狭くなる。
そのシーンで何が起きているのかも分り難くなってしまう。
トップビューのゲームにはシステムが複雑なものが多いように思う。
キャラクターは小さくなりがちだが全体を見回しやすいと言う利点がある。
開発者にとってもゲーム進行状況の把握しやすさは開発時に有利に働く。
(つまり構想にあるシステムが複雑であっても「作りやすい」のである)
では、果たしてシューティングゲームの場合はどうなのだろうか?
縦スクロールシューティング(見下ろし型シューティング)のシステムは
むしろシンプルなものの方が多い。
ゼビウスの地上敵と空中敵の撃ち分けも他のジャンルのゲームと比べれば
圧倒的にシンプルである。撃ち分けの無いスターフォースは言うまでもない。
ゲームの進化(ハード及びソフトの進歩)と共に画面に同時に表示できる
オブジェクトの数=動的な情報量も同ペースで増加し、いよいよ地上と空中の
撃ち分けなど操作が 煩雑になり過ぎたのか望まれない状況になっていく。
更にはシューティングゲームを好むユーザーは撃ち落す爽快感であったり、
パターンをなぞる一種の予定調和を好み、ゲームシステムに複雑さや難解さを
求めていないようにも思える。
その様な背景から、縦スクロールシューティングがシンプルなシステムを
志向したのは必然だった・・・と言うことなのかもしれない。
一先ず一旦公開。やはり書き終わらないのでこのまま後編に続きます。
書き終わるまで公開を止めていると気になって他が手に付かずストレスなので
今回記事を分割して書けている部分のみ公開すると言う手法を取ったが
最終的に全て一つの記事にまとめ直すかもしれないしこのままかもしれない。
全て書き終えてから、どのような形で掲載するか再考するつもりでいます。