カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

ワンピース

新型肺炎で早々と春休みになりつつも遊びに出かける事も出来ない上に

事態収束も見えず不安に苛まれる子供達のために、大手企業が様々な

支援を行なっている。

 

一例を挙げると・・・集英社では週間少年ジャンプ1号から13号及び、

人気漫画ONE PIECEのコミックス1巻から60巻までを無料公開している。

少年ジャンプ+ WEB版、ただし3月9日から4月5日までの期間限定)

 


週刊少年ジャンプ

自分はジャンプ本誌で読んでいるので殆どの漫画はコミックス版では

読んでいないし所有もしていない。

 

ワンピース久々に読んでみたくなったのでコミックス第一話から順に

読み返してみた(流石に1巻から60巻までは読んでないけど)。

 

大人は駄目なんだぞと、全国の小中学生からお叱りを受けそうではあるが・・・

 

さて、ここからはあくまで「個人の感想」なので多くの皆さんと異なる

意見であったり、否定的な言葉があったとしても、それは分からず屋の

勝手な戯言として聞き流してほしい。

 

自分はワンピースと言う漫画が好きだ。ただし、この「好き」は端的に言って

全面的な支持を意味するものではない。

 

最初にワンピースを読んだ時に思ったのは「絵が独特だな」と言う一点で、

デビューしたての新人だし下手な部分・未熟な部分があるのは当然としても

こんなパッとしない見た目の主人公(個人のかつての感想です)が主役で、

しかも物語り自体もヘンテコだし、正直あまり面白いとは感じなかった。

 

目的もぼんやりとしている上に戦闘時のキャラクターの強さに説得力が無く、

何故この漫画は打ち切られずに続いているのだろう・・・?

毎回欠かさず読んでいながらも正直よく解らなかった。

絵柄の独特さから好感も持てず、海賊と言う略奪者を目指す事にも共感せず、

ただただ載っているから読んでいるだけの状態だったのだが、ウソップが

仲間に加わった辺りから少しずつ印象が変わっていった。

 

登場人物が皆ピュアで熱く、キラキラと輝いている。

書き手が登場人物に感情を乗せて描いている証拠だ。

 

ただ、相変わらず漫画はあまり面白く感じていなくて、既に人気が出ていた

頃にも拘らずヘンテコな漫画だと言う第一印象はそのままだった。

(読み返してみて、改めて斧手のモーガンやキャプテン・クロ、

首領クリークとの戦いの描写は当時の感想と変わらずイマイチだなと思った)

 

それが・・・あるタイミングで一気に変わる。

アーロン一味のエピソード、ナミの突然の裏切りのシーンからだ。

 

それまでのワンピースは勧善懲悪で主人公は善、敵は悪と言う単純な線引きしか

無かったのだが、ナミの裏切りで人物の相関関係に大きな緊張が生まれた。

これが作者の考えたものなのか、編集サイドの提案だったのかは知らない。

だがこの瞬間からワンピースは間違いなく「化けた」のである。

(自分にとっては・・・なのでお気になさらず)

 

これ以降ワンピースは針がどちらに触れるか分らないスリリングな展開を

踏襲するようになった。

 

絶対上手くいくはずだった計画に綻びが生まれ、負けるはずのない奴が負け

キャラクター設定上死ぬはずのない奴が死に、仲間達の結束はどんどん高まり、

読むことが楽しくて仕方ない、現代少年漫画の傑作へと上り詰めたのである。

 

面白いかも・・・と思い始めたタイミングは今も昔も全く一緒だった、

ワンピース。

独特であまり好きではなかった絵柄も作者である尾田栄一郎の上達もあり、

自分にとって今では大好きなものとなっている。

(と言うか、本当に上手くなった。アーロン編の辺りでもまだ未熟だったし。)

 

特別ワンピースファンと言うわけでもなかったが、こうして振り返ってみれば

非常に感慨深いものがある。

 

ワンピースをお題にすればファンならば名シーン・名エピソードの数々が

飛び出してくるだろうが、ここはのんきなカベジマのテリトリー。

 

触れずに幕となる。

 

面白いものは面白い。ワンピースは面白い。これが結論だ。