適当エバー
NHKにて8月26日から3夜連続でヱヴァンゲリヲン新劇場版が放送された。
自分はテレビ版と旧劇場版2作までは見ているが、新劇場版はまだ見た事が
なかったので、これは良い機会だと制作の手を止め見てみる事にした。
エヴァはテレビ放送時、放送前の予告編で知り、試しに見てみようかと
チェックを入れつつも第1話を見逃し、第2話からリアルタイムで視聴、
第4話からはVHSでも録画をし、コミックス版も買い揃え、当時はかなり
はまっていた(友人にビデオとコミックスを貸して布教したり)のだが、
劇場版が公開される頃には熱も冷めてしまい、旧劇場版2作は後々に
レンタルビデオで申し訳程度に見て・・・それ以来だ。
作品との距離感はそのくらいのものなので過剰な期待はなかったのだが、
7年前の作品とは言え映像は美しく見応えのあるものだった。
とは言え面白かったかと聞かれると・・・まあどうだろう?
少なくとも、アニメなど全く見ないような人におすすめ出来る作品では
ないし、基本的に旧作を全て見ている前提でないと楽しめないだろう。
テレビ版のエピソードをなぞった『序』が一番安心して見る事が出来た。
新たな登場人物が加わりテレビ版とは全く異なる展開を迎える『破』は
なにか狐にでもつままれた様な奇妙な感覚を感じた。
そして『Q』はと言うと旧劇場版2作目を見たときと同じ感覚があった。
これは明らかに観客を嫌な気持ちにさせる為の物語だと感じた。
嫌な気持ちにさせると書いたものの、それは悪意からでは無い。
何かを終わらせる為の決意や動揺、畏怖、その様なものが製作者の内から
噴出しているのだ。
観客を嫌な気持ちにさせる事でエヴァンゲリオンとの決別を促進させる。
・・・と言う事は本心では庵野監督はもうエヴァを作りたくは無いのだろう。
自分は熱心なエヴァファンでは無いし庵野監督やカラーの公式の発言にも
疎いのでいい加減な勘ぐりなのだが。
完結編である『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は公開日が未定となり、
物語の結末を知るのはもう少し先になりそうだが、一先ず楽しみではある。
ネットのどこかで『Q』に関して「エヴァらしい」と言う様な感想を見た。
自分はエヴァらしさは混沌とした後半よりもワクワクとする前半の方が
実際、皆が期待するエヴァらしさなのではないかと思う。
だとするならば、それを描くのに疲弊しきってしまったのだろうな・・・。