カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

上手い絵は好きか?

実のところ、割と嫌いじゃない。

上手いって言うのは文字通り『上手い』状態を指して言っている。

 

自分が人生においてこの絵は上手いと最初に感じた漫画は恐らく

寺沢武一先生の『コブラ』だと思う。

 

時代はDrスランプや北斗の拳が始まった頃合だったろうか?

その時のコブラは休載から復帰した時の週間少年ジャンプのもので

とにかく他の連載作品とは画質が全く違う、極めて異質なもので

これは同じ漫画なのか?と大きな衝撃を受けた事を覚えている。

 

もちろんこの時代既に劇画や劇漫画と呼ばれるようなものは存在して、

例に漏れずコブラもそう言った分類の出来る作品だった筈なのだが

・・・自分にはまるでそれが絵画のように見えたのだ。

 

そのページには全裸の美女の後姿があった。

ヒップは重力に従いやや垂れて、その体つきは少女ではなく正に

「女」そのものであったのだ。

 

手塚や永井 豪の描くデフォルメの効いた丸い尻では無い。

なんて美しいのだ・・・子供ごころながら感動で背筋が震えた。

 

 勿論、鳥山明原哲夫もとても上手い。

だがこの時点では彼らはまだ新人だったし絵も完成されていなかっただろう。

コブラの絵は自分には異次元の上手さに思えたのだ。

 

漫画の単行本と言えばドラえもん21エモンしか持っていなかった自分が

初めて買ったコミックスがコブラだった。少ない小遣いで買えたのは

合わせて3冊程度だが(ドラえもんも2冊くらいしか持ってなかった)。

 

 ただ・・・その直後にファミコンの一大ブームが到来し、自分は漫画に

のめり込む事はなく、そのままゲームに没入していく事となる。

 

直前にガンダムのブームもあってアニメに目が向いていた時期もあるが、

自分は結局ロボットが好きなだけだったのでアニメにものめり込みは

しなかった(親にテレビを見せて貰えなかったと言う事情もある)。

 

自分が再び漫画に興味を持つのは数年後、遊びに行った友人宅で読んだ

安永航一郎県立地球防衛軍』からである。

 

漫画に関しては姉が持っていた『マカロニほうれん荘』や『パタリロ』、

或いは『ストップ!ひばりくん』などなど、少女誌連載作品なども含め

それ以前の作品も読んでいたが、それらの漫画はあくまで姉達のもの。

自分で買った本では無かったので思い入れの強さはやや薄いのだが、

それらも自分のルーツとなった作品の一つである事は間違いない。

 

さて、話を県立地球防衛軍に戻すと、安永航一郎の絵は上手さで言えば

「並」だろう(ごめんなさい、安永先生の絵は上手いです)。

 

しかし安永の漫画を読めば本を選ぶのに絵の上手さなどを基準にする事が

如何に馬鹿馬鹿しい事か直ぐに解る。以後安永航一郎の漫画を買い漁った。

 

全巻揃えるなどと言う習慣の無かった自分が一つの作品を、一人の漫画家を

じっと追う様になったのはこれが始めての事だった。

 

上手さなんてどうだっていいんだ、肝心なのは「めちゃくちゃな面白さ」だ。

 

上手い絵は好きか?

 

・・・その次に出会ったのは上手い上に論理先行の士郎正宗だったのだが

まあ、それは別の機会に。

(ちなみに、実際はその前にゆうきまさみ先生にハマってます)