カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

面白さを共有するチャンスはあるか?

先日、『3分ゲーコンテスト』の結果が発表されたが、間を置かず

フリゲ2020』の投票結果も発表されていた。

 

・・・恥ずかしながら、自分はこの『フリゲ○○』と言う人気投票、

その存在を初めて知った。何方かがtwitterで言及していたのだ。

 

フリゲ2020とは、その年に公開された(更新があった場合も良いらしい)

フリーゲームの中から一般投票により人気ナンバー1のゲームを決める

と言うもので、上位10タイトルをピックアップしつつも基本的には

票の入った全てのタイトルをリストアップし、各タイトルに対する

投票者のコメントも読む事ができると言う、優劣を決めるよりも

ゲーム開発者を応援することが目的の人気投票(だと思う)。

 

サイトを見てみると2009年から行なわれていたらしい。

自分が個人でのゲーム開発に参戦したのが2010年の事なので、

抱える歴史はほぼ同じとも言えるが、その10年の歴史の中で

ここにリストアップされたゲームは唯一、ニゲットバックスのみだ。

 

一票のみだが何方かが投票してくださったのだろう。

 

そして、ざっと見た感じではSTGは殆ど投票されていない様だった。

プラットフォーマー系のゲームは名を挙げられるだけまだ良い方だが

上位にはほぼ入っていない。アクション系のゲームは人気が無い様だ。

(どちらかと言えばプレイ時間のかかる物が好まれている様だ)

 

この傾向はフリゲ2020に限ったことでは無い。レビューを投稿できる

無料ゲーム配信サイトでも上位に来るのは非アクション系のゲームで、

更に言えばRPGが一番人気と言う訳でもない。

 

どちらかと言うとゲーム性はあまり強くない、キャラクターや物語を

中心に据えたもの、人気が集まるのはゲームの形を取ってはいるものの、

つまりそれは漫画や小説と同じ感覚で消費できるコンテンツである・・・

と言う事だ。

 

自分はこれまでわざわざPCでゲームを遊ぶような人はスペックを気にし、

環境を整え、パッドまで用意してプレイする様な・・・所謂"剛の者"を

想像していたのだが、実際はそうでは無いらしい。

 

アクションを嫌うと言う事は、恐らくキーボードでプレイしている。

PCのスペックも恐らく高くは無いだろう。動作させる為に必要となる

様々なソフトウェアをインストールする手間も避けているかもしれない。

 

そう言った事から、フリーゲームを愛好するユーザーの男女比率は

元々女性の方が多かったのではないか・・・と思い始めた。

 

ゲーム好きな男性は先ずハードを購入したがる。

PCでゲームをするにしても「その時代の最高のスペック」に拘る。

低スペックでも動作するPCのゲームはさして魅力的には写らない。

 

オフィスで働く女性はほぼ例外なく、PCを使う。

平成の頃に、時々槍玉に挙げられた「PC苦手なオジサン」像は

PCが男性よりも女性のイメージである事を強く印象付ける。

(あくまでもオフィスにおける事例)

 

日頃会社などでPCを使う女性ならばどこかでPCゲームの文化に

触れていたとしても特に不思議は感じない。

そして何より、フリーゲームならば無料。会社のパソコンでも動く。

 

もしかしたら「そんなこと誰でも知ってる事実」なのかもしれない。

 

ただ、自分のようにホビーPCの時代からゲームを見てきている

人間からすれば「PCゲーム=男性中心の市場」と言う認識が強く、

女系のコミュニティである可能性なんてほぼ意識が無かったのだ。

 

ゲームの面白さには様々ある。

自分の場合はルーツはアーケードゲームにある。

アクション系のゲームが好きだしそう言うものを作ることが多い。

 

でも、そう言う経験を殆ど持たないユーザーに対し

「ゲームかくあるべし」などと語りどこか響く部分はあるのだろうか?

 

面白さと言うものは人それぞれ。だが自分の考える面白さは揺らがない。

その揺らがない面白さは、外側の人達と共有する事が叶うのか?

 

チャンスはあるのだろうか?

 

 

※追記。RPGの原体験は自分と近い世代であればドラクエやFFだろうが、

自分よりも下の世代ならば圧倒的に「ポケモン」だ。

 

幼い頃からポケモンをプレイし続けると脳内にポケモンの為の専用の

領域が形成される・・・と言う研究結果がある(うろ覚え、確か)。

若い世代ではアクションよりもマネジメントや駆け引きの方に

関心が強いのは、そう言った事情も関係しているのかもしれない。

(あとスポ根よりも楽しいダンス=映えに美徳を感じるとかも)

 

 

※追記の追記。単純に昨今のゲーム実況ブームとの絡みかもしれない。

数分で終わってしまうアクションや、難しくてクリアできないゲームは

オーディエンスが集まらなかったり盛り上がらなかったりするかも。

その点、キャラや物語が中心のゲームは素人でも「ツッコミ易い」

又は「イジリ易い」という事はあるかもしれない。

更にはプレイ時間が必要となる分、同じゲームの実況を何度もできる。

盛り上がり、或いは収益化に向いたジャンルが伸びているだけ、

と言うのが一番しっくり来るのかもしれない。

 

こう言う事を考えている時間がメチャメチャ面白い。

 

 

※追記の追記の追記。そもそも何故キャラやストーリー中心のゲームを

愛好する人達が全て女性であったり、RPGであったりノベルであったりと

根拠もなくまくし立てているのか?と言う疑問を持つかもしれない。

 

その辺はぼやかして書いているのではっきりしないのは当然である。

 

ゲームを愛する人達・・・ゲーマーと呼ばれたりマニアと言われたり、

オタクにカテゴライズされる人達も一様ではなく、それぞれ趣味人としての

自分で主張したい立ち位置があり、他人に「お前はこれこれこうだ」などと

決め付けられたくないだろう。

 

いっそ、キャラや物語に一方的に偏向できれば良いのだけれど

自分はアニメも漫画も好きな方だけど美少女キャラや声優には関心無いし

この作品のここが良い、ここが好き・・・と熱く語る人達の輪には

到底入っていけない。浅薄でガッカリさせるだけなので。