カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

カブーンちゃんは『サヴァイヴァル』

先日公開した『かぶりつきアクション! カブーンちゃん』ですが
若干の修正を施したver1.01に更新しております。


更新内容はreadmeやゲームの配信先ページでご確認ください。


さて、今回はカブーンちゃんのゲーム本編について少しばかり書いてみたい。
カブーンちゃんは2015年のプロトタイプをほぼそのまま肉付けする感じで
作り上げたミニゲームなのですが、難易度はプロトタイプの時から変らず高い。


シュマップス・アカデミーを作ったときは「初心者にも優しく」と言う理念で
誰でも最後まで到達できるようにしたけれど、カブーンちゃんは最初から
「クリアが困難なもの」として調整されているのであのゲーム性で完全に正しい。


前回カブーンちゃんはホラーをテーマにしていると書いたけれどホラーとは
端的に言ってサヴァイヴァルものです。


ホラー映画の世界ではみんな仲良く手をつないでゴールしたりしない。
たいてい生き残れるのは最後の一人だけ。サヴァイヴァルに他なりません。


もちろん例外もあるだろうし私が例に挙げたホラー映画とは80年代ホラーなどで
今の世代にはピンと来ないかもしれない。


でもそう言ったホラー的不吉な暗示はあちこちに振りまいてある。


・・・だからと言って
難しいからホラーだなどと言う主張をしていると曲解されても困る。
サヴァイヴァルであれば達成が困難なのは当たり前の話。
つまりホラーと言うのはこの場合はゲームの内面的な思想を指す。


要するに困難を乗り切るための必要最低限の装備はもう持たせてある、
あとはそれらを活用し、無事現状から生還できるかどうか、と言うことだ。


主人公であるカブーンちゃん=劇中ではアリス・・・は己の身を守るための
神聖な力を得ている(ちなみに不思議の国の〜とは別人)。


一つは敵を噛み砕くフォースティース、もう一つが邪悪なものを打ち消すオーラ。
フォースティースは一回に3発しか出せない。これはリロードが必要だからだろう。
オーラはフォースティースを撃ち出す際に副産物として、出る。


フォースティースは連続ヒットするのが特徴の武器なので重ねて撃つ必要はない。
次弾を温存しておけば大量の敵弾が迫っていてもオーラで打ち消せる。
このゲームは弾切れを起こさないように常に弾数確認しながら進めるのが基本なのだ。


多少みっともない技だが画面端に張り付いた状態で連射すれば連続でオーラが出る。
俗に言うオーラバリアと言うテクニックだが苦し紛れにすることなんて幾らでもある。


敵の近くに位置していて時々効果音と共ににカブーンちゃんの頭上に電球のような
アイコンが出ているのに気付いただろうか?


実はボス以外の全ての敵はカブーンちゃんと距離が近い時は『撃つことが出来ない』。
相手の攻撃を封じた時にあのアイコンは出るのだ。


勿論それを狙っていくのは簡単ではないし狙えばプレイが楽になるわけでもない。
先に書いたとおり「苦し紛れ」「悪あがき」をする余地がある程度だ。


これってサヴァイヴァルではないだろうか?
つまり、なんとしても生き延びたいのならば、あがけ・・・とそう言うことだ。


生き延びたいと言う気持ちがあるのならばなんとしても生きるべきだ。
だと言うのに、生きるために知恵を絞らないなんて、なんなのだ?


カブーンちゃんをプレイしていると画面左隅のゲージが少しずつ伸びていくのに
気付くだろう。


敵を倒せば赤が伸びてアイテムを回収すれば黄が伸びる。簡単に伸ばせる。
赤ゲージは人間の暴力性を指し、黄ゲージは欲望を指している。


暴力性や欲望を伸ばすのはいとも簡単、と言うわけだ。
では最後のゲージはと言うと?


それは知性。


知性だけは何もしなければ殆ど伸びない。


ハロウィーンの悪魔は何が目的なのだろう?
悪魔の前にまでたどり着けなかった子供たちはみな行方知れずになってしまい、
二度と帰っては来ない。


だがその一方で敵との距離が近い時は攻撃を止めてしまう。


ゲームにおけるストーリーテリングはテキストやムービーシーンの独壇場ではない。
システム設計に置いても物語は表現できる。


カブーンちゃんには物語というほどの物語は載せていないけれど
何を意図してこのような構造にしたのかにはちゃんと理由がある。


人の未来は簡単ですか?恐らく困難なものになるでしょう。
必要なのは暴力?欲望?怖くないですか?こんな話。


知性を持って生き延びてください。
あなたが生き延びたいと思うならば。


・・・若干飛ばしすぎたのでもう一回くらいカブーンちゃん解説あるかも。
いや、ないかもしれないけど。では今回はこの辺で。


追記:勿論こんな話は制作側の単なる裏話に過ぎないので
プレイヤーの皆さんは何も気にすることはありません。
普通にハロウィンをテーマとしたお菓子ゲームとして
楽しんでいただければ良いのです。