カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

メガドライブミニ感想とメガドライブに移植して欲しかったゲーム10選

青春の1ページ、それはまさしくメガドライブ

 

先日購入したセガの新ハード『メガドライブミニ』を漸くプレイした。

使っているテレビが地デジに切り替わるタイミングで買い換えしたもので、

ゲームモードに設定してごく僅かにラグが有るか無いかと言うレベルだが

十分快適にプレイできる。

 

最初にダライアスをプレイしたが、こちらに関しては既にネット上の

プレイ動画を見ているので驚きはさしてない。もう既に分り切った事だ。

言うまでもなく、非常に良い出来である。

とは言え高音質のサンプリングを多用しているので、もしあの当時にこれを

やろうとしたとしても大容量カセットが登場するまでは商品化は難しかった

のではないかと思われる。そう、今だからこその「ロマン」なのだ!!

 

・・・ロマン詰まったメガドライブミニに、今一度乾杯。

 

そのような前置きしつつ、今回は当時のユーザーより移植を期待されつつも

様々な事情により実現しなかった「メガドライブに移植して欲しいソフト」を

ワタクシのん気なカベジマの独断と偏見による選出ではあるが10タイトル、

今更ながらリストアップしてみたい。

 

ただし、実際に移植の計画があり専門誌等で発売予定リストに入っていたもの

(テトリスやオメガファイターなど)は除外する事とする。

 

1)グラディウスII

2)源平倒魔伝

3)イース2

4)R-TYPE2

5)ファンタジーゾーン

6)ゼビウス

7)キャプテンコマンドー

8)忍者くん 阿修羅の章

9)サンダークロス

10)雷牙

 

アーケードゲーム中心の非常に偏ったリストとなってはいるが、

それなりに根拠は用意しているつもりだ。ちなみに順番には意味は無い。

 

 

グラディウスIIダライアスと並び、当時メガドライブへの移植を

一番期待されていたゲームの一つだろう。

コナミメガドライブへの参入を決めた時に誰もがそう思った筈だ。

メガドラで遂にグラディウスが出来るぞ!!」・・・と。

だが実際にコナミから発売されたソフトは日本のファンを失望させた。

コナミメガドライブソフトは決して質が低いわけではなかったが、

そのラインナップは日本のユーザーを軽視していると思われても

仕方がないような、まるでコナミらしさを感じないものであった。

全ては『経営上の戦略』である。しかしコナミの開発者達はその状況を

決して良くは思っていなかった。悪魔城もドラキュラも冠されなかったが

国内ユーザーにも刺さるヴァンパイアキラーと魂斗羅ザ・ハードコア

2本が最後の意地であるかの如くメガドライブでリリースされている。

 

 

源平倒魔伝は当時のナムコを代表するヒットタイトルの一つであり、

ユーザーにマシンの性能を判り易くアピール出来るタイトルでもあった。

移植版はライバルであるPCエンジンX68000にてリリースされている。

PCエンジンに移植出来るのであれば、メガドライブにも出来るだろう。

そしてホビーPCとしては当時最高峰の性能を誇ったX68000メガドライブ

同じCPUを搭載している。ハードの性能的に移植が難しかったわけではない。

またしても『経営上の戦略』である。ナムコもまた、自社の人気タイトルを

可能な限りメガドライブ以外のハードに振り分けた。代わりに他のハードには

およそ向かないであろうマニアックなタイトル群が移植されている。

 

 

イース2日本ファルコムを代表するIPの一つである、イースシリーズの

2作目であり、シリーズの人気を決定的なものとした、代名詞的作品である。

前作イースセガ・マーク3に移植されており、当然その続編であるイース2も

メガドライブに移植されるだろう、そう考えたユーザーも少なくなかった筈だ。

だが実際にはファルコムのゲームはセガ自ら移植したソーサリアン以外では

イース3(日本テレネット)ぽっぷるメイルロードモナーク英雄伝説2など

サードパーティ、セカンドパーティ開発タイトルのリリースに留まる。

ファルコムのゲームをメガドライブに移植するに当たって、合弁会社として

わざわざセガファルコムを立ち上げねばならなかった事などから見ても、

ファルコムの人気タイトル、特にイースシリーズのメガドライブでのリリースは

簡単ではなかったのだと言う事が伺える。これもまた『経営上の戦略』であろう。

ちなみに日本ファルコムが自ら家庭用ゲーム機市場に参入するのはPSP登場

以降である事も記載しておく。

 

 

R-TYPE2は言わずと知れたアイレムの大ヒット作、R-TYPEの続編である。

前作R-TYPEセガ・マーク3に移植されており、当然その続編のR-TYPE2も

移植されるのであろうと言う、淡い期待がユーザーにはあった・・・と思う。

R-TYPE2自体が前作ほどのヒットとならなかった事が移植版が登場しなかった

一番の理由だとは思うが、メガドライブにはアイレムのゲームが移植されて

いない事からこれもまた、『経営上の戦略』であることは疑いようがない。

アイレムPCエンジンに参入し多数の自社タイトル移植版をリリースしている。

そしてR-TYPEPCエンジンの顔でもある。更に言うとスーパーファミコンでは

R-TYPE2のアレンジ移植版であるSUPER R-TYPEがリリースされている。

・・・マルチタイトルなどと言う概念はこの時代には到底無かったのだ。 

 

 

ファンタジーゾーンセガのサイドビュー・シューティングゲームだ。

色使いも如何にもと言った感じのしらっぱげたクラシック・セガカラー、

グラディウスのヒットにより横スクロールシューティングが活気付いた

そのタイミングを逃すまいとセガが送り出した会心の一作である。

そもそもファンタジーゾーンの移植版は過去にセガ・マーク3版があり、

セガとしては既に役割を果たした旧作の移植に力を入れる意味合いは

無かったのだろうがユーザーはアレンジ移植ではない完全版を夢見ていた。

そしてその夢はセガの大ファンである(?)サンソフトにより形を変えて

具現化することとなった。それがスーパーファンタジーゾーンである。

そう言えば・・・マーク3ではサンダーブレードメガドライブでは

スーパーサンダーブレード。当時のセガにはアーケードゲームの移植は

1回しか許されないとか、何か掟のようなものがあったのだろうか?

 

 

ゼビウスナムコ第一期最大のヒット作と言っても過言ではない。

世界的にはパックマンギャラガの方が遥かに名を知られているだろう。

しかし、日本においてはスペースインベーダー・ブームによって一気に

加速したビデオゲームの街頭侵略もやがては見慣れた光景となり、

人々は次なる熱狂を渇望していた。

そんな時代に突如として現れたのが・・・かのゼビウスだったのである。

ゼビウスは瞬く間に大ヒットとなり、ちょっとした社会現象にまでなった。

当時のナムコは自社の人気タイトルのほぼ全てを、ハードウェアを問わず

幅広く提供していた。メガドライブナムコが参入すると言う一報を聞き、

当然ナムコのクラシックタイトルが順々と移植されていくのだと思った。

だがいち早くPCエンジンに参入していたナムコは アーケードの人気作を

次々とPCエンジンに投入する。そしてその力の入れようは明らかであった。

結局のところゲームのラインナップは『経営上の戦略』そのものなのである。

 

 

キャプテンコマンドーストリートファイター2でその名を轟かせたカプコン

専用筐体と共に発売した、4人同時プレイが可能なベルトスクロールアクション

売り上げでどれほど貢献したかは不明だがユーザー人気は高く、発売から4年が

過ぎた頃にスーパーファミコンでの移植が実現している。カプコンのゲームは

当初セガが自前で移植及び販売を行なっていたのだが、その気合の入り様は

時にセガ自身のタイトルを上回るほどで、既にメガドライブ参入を表明していた

カプコンが93年のストリートファイター2ダッシュプラスまでソフトをリリース

しなかったのもそう言った事情によるものかもしれない。

ちなみにファイナルファイトCDもセガによる移植(内製ではない)である。

 

 

忍者くん 阿修羅の章はUPLの出世作である、忍者くん 魔城の冒険の続編。

阿修羅の章はヒット作とは言えないのかもしれないが、駄菓子屋などでも

よく見かけたので出回り自体は良好であったと思われる。

UPLはメガドライブに参入後、唯一宇宙戦艦ゴモラを発売しているが、

UPLのゲーム自体はトレコにより数タイトルが移植・販売されているのみ。

開発がどこまで進んでいたのかは分らないが(恐らく開発に至っていない)

予定していたオメガファイターを中止にして以降、コンシューマーでの

リリース計画は聞かれなくなり、まもなく会社は倒産した・・・。

忍者くん 阿修羅の章はファミコンに移植され、UPLから発売されている。

その出来は決して悪くはないのだがスペック的な理由で見た目は一段劣る。

・・・もし、UPLが存続していたとしてもこのゲームがメガドライブ

移植された可能性は低かっただろう。それはUPLの販売した全ゲームの

内訳を見れば直ぐに分かる。かつてのUPLは独創性に富んではいたが、

決して開発力の高いメーカーではなかったのだ・・・。

 

 

サンダークロスコナミが発売した横スクロールシューティングゲームだ。

グラディウスシリーズほどのヒットには至らなかったが軽快なサウンド

評価され、続編も作られている。メガドライブユーザーは一縷の望みにかけ

グラディウスは無理でもサンダークロスならば可能性があるのでは」と

コナミからサンダークロス移植決定のアナウンスが届くのを待ち続けた。

結果は言うまでもなく、サンダークロスどころかシューティングゲーム自体

最後まで発売される事はなかったのだが・・・。

コナミメガドライブ用ゲームには国内未発売のものも多く、海外主体で

リリースタイトルの選考が行われていたと考えて間違いないだろう。

 

 

雷牙テクモが発売した横スクロールシューティングゲームだが知名度

かなり低く、出回りも「それなり(或いは全然)」・・・と言った具合の、

有り体に言ってマイナーなゲームだ。特別人気が高いわけでもない。

だがしかし、当時のユーザーはテクモに少なからず期待する部分があった。

かつてセガ・マーク3では唯一テクモのゲームが「シルバーカートリッジ」

として、これまた唯一のサードパーティであるサリオより発売されていた

経緯があり、テクモが参入するならばテクモアーケードゲームの移植を、

アーケードに極めて近い、質の高い移植版を出してくれないものかと、

勝手な思いを募らせていたのだが・・・結局テクモがリリースしたのは

テクモボウルなどスポーツゲーム4本のみ。テクモもまた、コナミ同様に

外市場に大幅に寄せた展開しかしなかったのである。

しかしテクモの開発規模を考えればそれも仕方の無いことかもしれない。

ただ、テクモのアーケード黄金期を知るユーザー達はやはりアクションや

シューティングゲームをプレイしたかったのだ。

テクモはある時期からアーケードゲーム自体をリリースしなくなっていく。

東亜プランデータイーストテクノスジャパンのゲーム基板の販売は

行なっていたものの、テクモ自身が開発したゲームは年に1タイトル程度で、

そう言った意味でテクモから久々に登場した正統派シューティングゲーム

テクモの本気を感じさせて欲しかったと言う部分もあったのである。

雷牙は地味ながら良く出来たゲームだしサウンドに関して言えば後にコナミ

移籍したメタルユーキ氏が担当しており、同じくメタルユーキ氏が担当した

サンダークロス2とは腹違いの兄弟と言えない事もない・・・かもしれない。

アルゴスの戦士ソロモンの鍵スターフォースにボンジャック・・・

とにかく、もっと沢山のテクモのゲームをメガドライブで遊びたかった、

と言うのは思い入れの深いユーザーならば当時誰もが感じた事だろう。

 

 

他にも当時のゲーマーであればドラクエやFFをセガのハードで・・・などと

一度や二度、思った事だろう。かく言う自分も勿論思っていた。

だが叶うかもしれない望みと叶わないだろう望みとでは、そこに抱いてしまう

期待の量が大きく違ってくる。

 

メガドライブドラゴンクエストが出る事なんて絶対にない。

ましてやファイナルファンタジーなんて出る筈がない。そんな事は分っている。

 

でも、グラディウスなら?R-TYPEなら?ゼビウスなら?

 

 

(スペック的な意味で)ファミコンPCエンジンに出せるのならば同じものを

メガドライブにも移植して欲しい。

 

そんなユーザーの思いの前に立ちはだかった壁が『経営上の戦略』だった。

あのゲームはメガドライブの性能では無理、このゲームは容量が足らない、

・・・ある意味、みんな嘘だった。

 

大人の事情が憎たらしい。