カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

獣王記には毛が生えて

獣王記と言うゲームがある。セガが88年に発売したアーケードゲーム

メガドライブにも同年移植版がリリースされている。

 

世間的にはクソゲーとして知られているようだが自分はこのゲームが

結構好きだ。筋肉男が素手でゾンビや狼を殴り殺すゲームなんて

皆好きに決まっている。

 

ゲームとしての出来はかなり雑なものだが破綻しているわけでは無い。

にも拘らずクソゲー呼ばわりされるのは3面で登場する「ウェアベア」の

容姿と攻撃時のモーションのおかしさ、全てをぶち壊すエンディングなど

いくつか要因はあると思うが実際のところ、キャラクター含むビジュアルと

世界観を好きになれなかったと言うのが真相ではないだろうか?

 

時代的にはドラクエシリーズに代表される剣と魔法のRPGが人気絶頂で、

ファンタジー調の世界観を持つゲームが増え始めた頃合だ。

 

セガもきっとファンタジーのゲームを作れば大ヒット間違い無しだと、

そう思ったに違いない。ファンタジーと言えば・・・ファンタジーゾーン

ファンタジーゾーンの前年に発売されたスペースハリアーの戦いの舞台も

ファンタジーゾーン。ファンタジーなら任せておけ、そう思ったに違いない。

 

ここでイースシリーズのような爽やかでオタク受けするストーリーや

キャラクターを擁するタイトルを生み出せば後々にまで残る人気シリーズと

なったかもしれない。だが、セガは違う。そもそもファンタジーゾーン

スペースハリアーからして、今の我々が思い浮かべるファンタジーではない。

 

ドラクエに対抗して生み出されたのも、かのファンタシースターである。

恐らくセガブランドにおける意識・共通イメージと言うものは、社内において

相当強固なものだったのだろう。

 

これは・・・主戦場がゲームセンターであった事も大きいと思うのだが、

いわゆる不良少年たちが好みそうな題材(バイクや車、ロックなど)を

積極的に取り入れて来たことが結果的には他の競合(任天堂陣営や

他のアーケードメーカー)との差別化を生むこととなったのかもしれない。

セガと言えばなんとなくアメリカン、これだ。

 

獣王記の主人公は恐らくだが、コマンドープレデターで主役を演じた

アーノルド・シュワルツェネッガーをモチーフとしていると思われる。

この時代のアーケードゲームは他社においても同様でコナミタイトー

カプコンデータイーストも、どれを見てもシュワルツェネッガー

スタローンのそっくりさんがムキムキと大暴れしていたのである。

強い男の象徴として誰もがイメージしやすかったのだろうと思う。

 

結果として獣王記はパンツ一丁のマッチョ男が主人公・・・という以外、

ビデオゲームシーンにインパクトを残す事はなかった。

 

そんなことは無い、あの変身シーンは皆覚えているだろうと言うかもしれない。

だが・・・それは獣王記を愛す者たちの合言葉に過ぎない。

 

Well Come to Your Doom

 

それはスクリーンの中の出来事。