カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

生きてたニャー

正直ね、もう駄目だと思ってました。
今年でたしか13歳・・・だったかな。
我が家のトラ猫。


2ヶ月くらい前からご飯を食べなくなってきて、
日に日に、どんどん痩せてきちゃっててね。


1週間くらい前・・・立ち上がるのも困難なほどに
衰弱してしまっていた。


以前獣医にかかったときに「腎臓が弱ってる」
そう言われてて・・・まあ猫は年取ると大概臓器が
やられるらしいから、ウチの猫が特別生活習慣が
まずかったってワケでもないんだけど・・・。


そんな次第で1ヶ月ほど前、
ネットで猫の栄養食・・・を調べて、「リーナルケア」
なるものが有ることを知り、早速注文。


届いて、最初の日は喜んで食べてたんで
「これならシリンジ使わなくても良いから楽だ」
なんて思ったんだけど・・・次の日は見向きもしない。


食べたり食べなかったりで、皿に出した分は
結果として半分近く捨ててしまった。
(腐敗した物は食べさせられないので古い物は廃棄)


それでもリピート含め計5本購入したけどね。


でも・・・どうにも体調が戻らず、5日ほど前、
ついに起き上がれなくなった。


トイレにも自力で行けない。
・・・途中で我慢できなくなってしまった。


呼んでも撫でても・・・もう一言も発しない。
両の目から涙がボロボロこぼれている。


動物には・・・死の概念は無い・・・と聞いた事が有る。


自分がいつか死ぬと言う事をもし知ってしまったら、
怖くて外も出歩けない(外敵がいるから)だろう。
動物は本来慎重で臆病な存在だから。


悲しくて泣いているのか?苦しくて泣いているのか?
腹が大きく上下している。


母が猫の缶詰を持ってくる。
父がマグロの刺身を買ってきて皿に出してやる。


首だけがぐるりと回って、鼻で匂いを探っている。
でも・・・食べられない。


「マンマだよ」
親父はいつもそうやって猫を呼ぶ。


呼ばれて首を持ち上げる。


(・・・コイツは本当は食べたいんだ、まだ生きたいんだ)


もう明日か明後日か・・・長くはないだろうな・・・。
家族全員がそう思っていました。


夜中・・・最後の食事になるかもしれない・・・
お腹が空いたまま逝くんじゃあまりに可愛そうだ・・・


そう思ってリーナルケアを無理やり食べさせた。
猫の目は焦点が合っておらず中空を見つめています。


少しずつ少しずつ、シリンジ(給仕器具)で
口の端から注入してやる。


ウエットティッシュで体に付いて固まってしまった
前日のリーナルケアを丁寧に拭き取ってやる。


「諦めるのは早いぞ、頑張れ!!」
・・・最後にそう、声をかけた。


次の朝・・・猫はフラつきながらも起きてきて・・・
夕べ寝る前に皿に出して食べなかったご飯を・・・食べた。
トイレも自分で行った。


仕事から帰って・・・久々に猫の「ニャー」と言う
鳴き声を聴いた。


その日の夜中、またリーナルケアを食べさせようと
寝ている猫の前まで行くと・・・咽を鳴らし「ニャン」と
短く鳴いて・・・静かにこちらを見つめていたよ。


そうか・・・お前、元気になったんだな、良かったな。


それから日に日に元気が戻って、
今日はいつものお気に入りの場所に居た。


この間までは座椅子のクッションの上から
動こうとしなかったのに。



「今日も生きてたニャー」
猫が笑って、そう呟いた。




※ちなみにこの写真は1ヶ月ほど前に撮ったものです。
いい写真がなかったのでストックから代用。