カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

ナムコのアーケードゲーム

自分が好きなジャンルのゲームに固定画面アクションと言うものがある。


黎明期のゲームはそもそもスクロールしないものが殆どだった筈なので、
ここで言う固定画面アクションとはどの頃からのゲームを指すものなのか、
多少あやふやではあるけれど、ざっくり線引きしてしまえばパックマン
代表されるような、メイズアクションを主体とするものとしておこう。


パックマンを代表格として、ディグダグリブルラブル、シューティングも
含めるのであれば、ギャラクシアンギャラガなども近いものがある。


スクロールはするけれどラリーXマッピードルアーガの塔なども基本的には
同じDNAから派生したものだと思う。


ナムコ以外のメーカーのゲームを挙げるならばタイトーが多く出している。
ちゃっくんぽっぷ、フェアリーランドストーリー、バブルボブルなどなど。
勿論タイトーは当時の最大手であり、リリースしているゲームの数も多く
全体の数からすれば割合は少ないのかもしれないが熱狂的なファンのいるような
奥の深いゲームが多い。


アーケードに限らずコンシューマーやホビーPCなどにも沢山あった筈だが、
廃れていった理由はアイデアの枯渇などよりもトレンドの推移と言う側面が
強いと思う。


単純にスクロールすることが一大ブームとなり、絶対的な主流となったのだ。
以降、スクロールしないゲームは「ちゃちい」「古臭い」「技術がない」
或いは「子供っぽい」など謂れなきそしりを受け、やがて低迷していくこととなる。


自分は正直・・・横スクロールアクションと言うジャンルがあまり好きではない。
ジャンプとピストル(時にパンチや剣)。全部同じゲーム性だ。


固定画面アクションはパズル要素の強いものが多く、それぞれに独自のルールを
もつものも多くてタイトルごとに異なるゲーム性を持っていた(ものも多い)。


スクロールするゲームが主流になってからはゲームの独自性は薄れルールも
平坦になり、その代わりなのか見栄えを良くするキャラクターや背景アート、
そしてサウンドなど演出面で違いを強調するように変っていったように思う。


自分は「ゲームはナムコ」のコピーよろしくナムコの大ファンだったけれど
ナムコがユニークなキャラクターゲームを作らなくなってしまってからは
熱烈なセガファンに変った。


源平倒魔伝やドラゴンスピリットも好きだったけれどナムコらしさは・・・
自分にはあまり感じられなかった。


源平倒魔伝はこれまでのナムコのイメージを変える戦略的なタイトルだった
筈だけど果たして源平倒魔伝のようなゲームは以降作られたのか?
ちょっとよく解らない。


むしろ同じチームの作ったゲームはベラボーマンと言う快作もあったけれど
その後快音を響かせたことがあったのか?その後のナムコアーケードゲーム
ヒット作もあったけれどコンセプトの難しいものや纏まりきっていないものもあって
体感ゲームブームの追い風を受けてウイニングランファイナルラップのような
レースゲーム・・・つまりコクピットものが大きなウエイトを占めていった中に
テーブルが埋没していく、つまりこれも先と同じトレンドの推移に過ぎないとも
言えるが結局のところ力を入れていないゲームは客に直ぐに見抜かれるという、
極めて単純な理由によりコミカルなキャラクターが登場するようなナムコらしい
ゲームはユーザーを減らしていったと言うのが実情なのだろう。


コミカルなキャラクター、固定画面のアクション。
忘れられていった、かつての花形たち。


けれど忘れるべきではないのはそれらは
「ゲームジャンルとして他よりも駄目だったから廃れたわけではない」
と言うこと。


トレンドが移り変わって・・・つまり、人の好みが変って
受け入れられなくなっていっただけで、それが本当に全力を込めて作り上げた
渾身の一作であれば時代が変っても・・・いや、当時は無かっただろう。


でも今の時代であれば、良いゲームを持ってくれば必ず評価されるのではないか?
自分は今でもパックマンディグダグを越えるようなゲームを待っている。



そのゲームの持つ独自のルールこそが主役となるテレビゲームらしいゲームを。


スイッチのヒットでプラットフォームとしての評価を取り戻した任天堂
ドンキーコングマリオブラザーズなどの傑作固定画面アクションを作った。
任天堂はやがてアーケードから撤退しゲーム事業はコンシューマー一本に絞って
これらはその後の一大王国の礎となったのだが、イズムのようなものは
その後も変わっていないように思う。


アーケードからスタートした他のゲームメーカーは・・・結局どこも“らしさ”を失い、
今は別の顔となってしまった。大きく変らなかったのはカプコンくらいのものか?


それも時代の流れなのだし仕方がないことだとは思う。
もう一度あの頃のようなゲームを作って欲しい・・・とは少しも思わない。


今は、「自分達で作り出せばいい」とほんの少し思っている。