カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

サンダーフォース3はおやつ

サンダーフォース4とサンダーフォース3は似て非なるもの。

ゲームシステムやグラフィックスの感じなど共通する部分は

多いけれど手触りはだいぶ違う。

 

それは何故なのか・・・と言うと、自分は内情を知らないし

そう言う話を聞いたわけでも無いので単なる想像に過ぎないのだが

恐らく全ての要素において「前作を超える」と言う目標が結果的に

プラスに働かなかったからだと思っている。

 

サンダーフォース3とサンダーフォース4を比較すれば、確かに

全ての要素がサンダーフォース4の方がよりリッチでハイセンスな

ものになっていると言える。

 

でもそれが有効に機能しているのかと言うと必ずしもそうでは

ないように思う。

 

グラフィックスは進化した。3のよく分らないデザインのメカや

巨大顔面などダサい要素は見直され、4の背景はより写実調になり

メカは流行のアニメ風にリファインされた。

 

でも3のダサさは「敵」と言う「プレイヤーに倒される為の存在」として

上手く機能していた。異文化を感じさせると言うか、どんどんと敵の

懐深くに入り込んでいる気分にさせてくれるものだった。

 

対して4では山河や砂漠、スペースコロニーなど同じ人間の存在を

感じるロケーションが多く、敵のデザインもガンダム的なアニメ調で

まるで同族間の抗争のようで「敵を倒す心地よさ」は薄まっている。

 

音楽も4の方が遥かに音質が良く、曲も凝ったものが多いのだが、

ディストーションギター中心の楽曲が多く、これがまた人間の存在を

感じさせる要因になっている。シンセサウンドは非日常感を醸し出すのに

最適であり3のメロディ中心の楽曲も良い意味で玩具っぽさを感じる。

「これは敵を倒す遊びなのだよ」と脳が安心出来るのだ。

 

対してシンフォニックな曲やヘヴィーメタルなどはあからさまに

「人間の作り出した文化圏」を連想させ、どこか不安を煽るものに

なりがちである。

 

例えば武者アレスタのBGMはバリバリのヘヴィメタではあるが、

使用されている音色はさしてリアルなものでは無い為にやはり

玩具っぽさを感じる。だからこそゲーム内で撃つ事が気持ち良いのだ。

(ただし、個人の感想ではあるので反論ある方も居るだろう)

 

4では面数や一つのステージの長さが3よりも増強されている。

その為にエンディングまでにかかるプレイ時間が長い。

しかも次々と新しい敵が入れ替わり立ち替わり現れるわけでも無く、

耐久力の大きい中ボスに足止めされる時間が長い。

 

3のシンプルな構成・・・ザコ敵が現れる、地形ギミックに阻まれる、

中ボスと戦う、ボス戦・・・と言うテンポの良さ、プレイの手軽さは

胃にもたれる感じがしない。だから何度でも遊べる。

 

難易度も4の方がやや高い。3では適当にプレイしていても直ぐに残機が

増えるので比較的危なげなくクリアできる。しかし4では予定に無い

ミスが起きやすい。それは恐らく・・・武器の弱さに起因する。

 

厄介な相手を即効で倒す為には前に出なければならない。

しかし4の武器は使い勝手があまり良く無いので効率よくダメージを

与えられずに戦闘が長引いてしまう事がある。危険に晒される時間が長い。

 

サンダーソードを入手してからは雑なプレイでも何とかなる場合も多いが

トリッキーな動きをする敵にテンポを崩される事もあるので最後まで

変な緊張感が抜けない。

 

これらの要素が単発で挿入されているだけならば特に問題はないだろう。

しかし全ての要素で前作を超えようとしたサンダーフォース4には

全てがギッシリ詰まっているのだ。

 

人によっては「これ味が濃くて絶対美味いやつ」などと思っているかも

しれない。しかしおやつに食べるならばチープで嵩の無いものの方が

丁度良い事もあるのだ。

 

今だからこそ言いたい。

ゲームとして遊ぶならばサンダーフォース3はシリーズで一番面白い。

勿論反論のある方も居るだろうけれど・・・