カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

個人がゲームを売ると言う事

先日、twitterで「2年かけて作ったゲーム初週10本も売れなかった」

と言う様な記事を読んだ。

 

その方のtwitterはフォローしていないし過去に交流も無かったと思う。

なので、無関係の人間の興味本位によるフォローアップであることを

最初に断っておきたい。

 

その開発者は2年をかけて完成させた自信作のゲームをitch.ioやBoothで

販売していたが売り上げは伸びておらず、一縷の望みをかけsteamで

リリースしたのだが、SNS上での宣伝やプロモーションにコストを

かけたにも拘らずその効果はまるで体感出来ず、ついには心が折れて

ゲーム開発から身を引くこととした・・・と言う話であった。

 

同じ個人開発者としては共感する部分も多い。明日の我が身でもある。

ただ・・・そのゲームの製品ページやプロモーション動画を見るに、

「勿体無いな」と言う気持ちにもさせられてしまった。

 

何が勿体無いかを以下に挙げていこう。

 

1) 価格が高い

 

このゲームの価格は1120円となっている。常識的な価格だとは思う。

ただ、多くのsteamを利用しているユーザーからすれば500円を超える

ゲームには更に1ランク上のビジュアル的なクオリティを求めてくる。

このゲームはpico-8で作られているが、解像度の低いドット絵の

ゲームはコアゲーマーを除く一般的なユーザーから支持を得にくい。

センスの良し悪しでは無いのだ。『彼ら』は物の価値など知らない。

ドットが粗い=手抜き=安上がり・・・の様な感覚しか持っていない。

 

2) キャラクタービジュアルが弱い

 

上記の通り、センスの良し悪し=絵の上手い下手の問題ではない。

一般層の関心を引ける様な目に留まるビジュアルを欠いている。

今回のゲームでは人間のキャラクターは登場しないようだが、

トレイラ-にもストアページにも大判のキャラクターイメージは

登場していない。イベントシーンなどで所謂カットインのような

大判のキャラクターイメージが挿入され、そのシーンをPVに

盛り込むだけでも大分印象は違ってくる。

 

3) どんなゲームなのかが分り難い

 

ストアページでは「コンサイリキを駆使して進む」とあるが、

PVを見てもゲームシステムは良く分らず、ここに行き違いがある。

ジャンルはメトロイドヴァニアで探索型のプラットフォーマーだ。

類似ジャンルの他のゲームでは装備の入手やアップグレードで

キャラクター性能を強化していく所を、入手した素材を使った、

言わばアイテムクラフトで対応している様なのだが、一見して

伝わりにくい。料理ゲームや農業ゲームの様にも見える。

(実際にプレイしていないのでゲームシステムを理解出来てない)

 

こう言った部分を改善するだけでも大分印象は変わってくる。

 

 

ただtwitterでは厳しい意見が多いようだ。

「もっと本格的に宣伝をすべきだ、露出させる努力が足らない」

「無数のゲームがリリースされているのだから埋もれて当然」

 

・・・だがそれでいいのか?開発者やパブリッシャーが

「宣伝をするから売れる。肝心なのは内容じゃない、戦略だ!」

など、優良なソフトウェアを開発し提供する事自体を否定するような

態度を取る事は先人達の顔に泥を塗るようなことにならないか?

 

個人でゲームを売る事には常に困難が付きまとう。

特に今の世は「赤の他人よりも身内」。聞いた事も無いメーカー名と

タイトルよりも馴染みのある作品群を選びがちだ。

 

そんな事情を知っていて何故若い挑戦者達を後押ししようとしない?

(ちなみに自分は若くは無いが経験と知識も無いので新人扱い)

 

ユーザーが何を選ぶかは、彼らの自由だ。

 

しかし、それらを生み出し供給する側の人間は優れた商品を見つめ

常に市場全体の品質を高く保つ事に尽力すべきなのではないか?

 

勝利者達よ、情け無い事を言ってくれるな。

 

 

件の開発者はもう2度とインディーでのゲーム開発の世界には

戻って来ないだろう。

 

諦めるな、もっと頑張れなど言うつもりは更々無い。

・・・お疲れ様でした。心癒えるまでゆっくりお休みください。