カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

ゲーム制作2020

さて、今年も残り後わずか。

お世話になった方々、自分のゲームやその他の作成物などに

目を通して頂いた皆様には感謝しきりです。

 

来年もまた宜しくお願い致します。

 

今年は小サイズのゲームを2本、公開することが出来ましたが、

正直成果があったのかは分りません。

しかし喜んでくれた、楽しんでくれた方もいらっしゃいますので

それはそれで良かったのではないかと思います。

 

来年の予定ですが・・・いつ開発を開始するかは未定ですが、

次の作品はもう決まっています。

 

次の作品はオーソドックスなターンベースRPGになると思います。

とは言え数分で終わるような小サイズのゲームを考えているので

どの様なタイミングで、どの様な場で公開すべきなのか、

そう言った事はまだ分りません。

 

例えば3分ゲーコンテストの様な場が相応しいのか?

他のコンテストやGameJamなどに参加すべきなのか?

 

自分は開発ペースが遅いので数日~1週間など、短い期限内で

完成を目指すコンテストでは恐らくゲームを完成出来ないので

予めある程度作っておいたものを、公開が近づいてから一気に

完成にまで持っていく・・・というスタイルでやっていますが、

それだとGameJamとかではほぼ成果物無しで終わってしまう。

(ちなみに、GameJam作品は結構ゲーム未満のものも多い)

 

とは言えコンテスト向きの企画でも無いので、完成しても

発表の場があるかどうかちょっと怪しい。

 

 

今回の3分ゲーコンテストでも当初はアクション性の無いものを

考えていたのですがプロトタイプがゲームとして纏まらなかった

事もあり、別の企画にしましたが・・・恐らく次のコンテストでは

アクション性の無いものを投稿する事になるでしょう。

 

コンテストの投票対策と言うよりも「意地」ですね。

ただし上位は目指しません。最下位狙いで行きたいと思います。

新しくて面白いものを作る。そしてそれが最下位になる。

狙ってそれが出来れば自分の勝ち。ならば出来なければ敗北か?

敗北しても特にペナルティは無いですが、そう言った気持ちが

モチベーションに繋がる。来年も頑張ってって行きます。

面白さを共有するチャンスはあるか?

先日、『3分ゲーコンテスト』の結果が発表されたが、間を置かず

フリゲ2020』の投票結果も発表されていた。

 

・・・恥ずかしながら、自分はこの『フリゲ○○』と言う人気投票、

その存在を初めて知った。何方かがtwitterで言及していたのだ。

 

フリゲ2020とは、その年に公開された(更新があった場合も良いらしい)

フリーゲームの中から一般投票により人気ナンバー1のゲームを決める

と言うもので、上位10タイトルをピックアップしつつも基本的には

票の入った全てのタイトルをリストアップし、各タイトルに対する

投票者のコメントも読む事ができると言う、優劣を決めるよりも

ゲーム開発者を応援することが目的の人気投票(だと思う)。

 

サイトを見てみると2009年から行なわれていたらしい。

自分が個人でのゲーム開発に参戦したのが2010年の事なので、

抱える歴史はほぼ同じとも言えるが、その10年の歴史の中で

ここにリストアップされたゲームは唯一、ニゲットバックスのみだ。

 

一票のみだが何方かが投票してくださったのだろう。

 

そして、ざっと見た感じではSTGは殆ど投票されていない様だった。

プラットフォーマー系のゲームは名を挙げられるだけまだ良い方だが

上位にはほぼ入っていない。アクション系のゲームは人気が無い様だ。

(どちらかと言えばプレイ時間のかかる物が好まれている様だ)

 

この傾向はフリゲ2020に限ったことでは無い。レビューを投稿できる

無料ゲーム配信サイトでも上位に来るのは非アクション系のゲームで、

更に言えばRPGが一番人気と言う訳でもない。

 

どちらかと言うとゲーム性はあまり強くない、キャラクターや物語を

中心に据えたもの、人気が集まるのはゲームの形を取ってはいるものの、

つまりそれは漫画や小説と同じ感覚で消費できるコンテンツである・・・

と言う事だ。

 

自分はこれまでわざわざPCでゲームを遊ぶような人はスペックを気にし、

環境を整え、パッドまで用意してプレイする様な・・・所謂"剛の者"を

想像していたのだが、実際はそうでは無いらしい。

 

アクションを嫌うと言う事は、恐らくキーボードでプレイしている。

PCのスペックも恐らく高くは無いだろう。動作させる為に必要となる

様々なソフトウェアをインストールする手間も避けているかもしれない。

 

そう言った事から、フリーゲームを愛好するユーザーの男女比率は

元々女性の方が多かったのではないか・・・と思い始めた。

 

ゲーム好きな男性は先ずハードを購入したがる。

PCでゲームをするにしても「その時代の最高のスペック」に拘る。

低スペックでも動作するPCのゲームはさして魅力的には写らない。

 

オフィスで働く女性はほぼ例外なく、PCを使う。

平成の頃に、時々槍玉に挙げられた「PC苦手なオジサン」像は

PCが男性よりも女性のイメージである事を強く印象付ける。

(あくまでもオフィスにおける事例)

 

日頃会社などでPCを使う女性ならばどこかでPCゲームの文化に

触れていたとしても特に不思議は感じない。

そして何より、フリーゲームならば無料。会社のパソコンでも動く。

 

もしかしたら「そんなこと誰でも知ってる事実」なのかもしれない。

 

ただ、自分のようにホビーPCの時代からゲームを見てきている

人間からすれば「PCゲーム=男性中心の市場」と言う認識が強く、

女系のコミュニティである可能性なんてほぼ意識が無かったのだ。

 

ゲームの面白さには様々ある。

自分の場合はルーツはアーケードゲームにある。

アクション系のゲームが好きだしそう言うものを作ることが多い。

 

でも、そう言う経験を殆ど持たないユーザーに対し

「ゲームかくあるべし」などと語りどこか響く部分はあるのだろうか?

 

面白さと言うものは人それぞれ。だが自分の考える面白さは揺らがない。

その揺らがない面白さは、外側の人達と共有する事が叶うのか?

 

チャンスはあるのだろうか?

 

 

※追記。RPGの原体験は自分と近い世代であればドラクエやFFだろうが、

自分よりも下の世代ならば圧倒的に「ポケモン」だ。

 

幼い頃からポケモンをプレイし続けると脳内にポケモンの為の専用の

領域が形成される・・・と言う研究結果がある(うろ覚え、確か)。

若い世代ではアクションよりもマネジメントや駆け引きの方に

関心が強いのは、そう言った事情も関係しているのかもしれない。

(あとスポ根よりも楽しいダンス=映えに美徳を感じるとかも)

 

 

※追記の追記。単純に昨今のゲーム実況ブームとの絡みかもしれない。

数分で終わってしまうアクションや、難しくてクリアできないゲームは

オーディエンスが集まらなかったり盛り上がらなかったりするかも。

その点、キャラや物語が中心のゲームは素人でも「ツッコミ易い」

又は「イジリ易い」という事はあるかもしれない。

更にはプレイ時間が必要となる分、同じゲームの実況を何度もできる。

盛り上がり、或いは収益化に向いたジャンルが伸びているだけ、

と言うのが一番しっくり来るのかもしれない。

 

こう言う事を考えている時間がメチャメチャ面白い。

 

 

※追記の追記の追記。そもそも何故キャラやストーリー中心のゲームを

愛好する人達が全て女性であったり、RPGであったりノベルであったりと

根拠もなくまくし立てているのか?と言う疑問を持つかもしれない。

 

その辺はぼやかして書いているのではっきりしないのは当然である。

 

ゲームを愛する人達・・・ゲーマーと呼ばれたりマニアと言われたり、

オタクにカテゴライズされる人達も一様ではなく、それぞれ趣味人としての

自分で主張したい立ち位置があり、他人に「お前はこれこれこうだ」などと

決め付けられたくないだろう。

 

いっそ、キャラや物語に一方的に偏向できれば良いのだけれど

自分はアニメも漫画も好きな方だけど美少女キャラや声優には関心無いし

この作品のここが良い、ここが好き・・・と熱く語る人達の輪には

到底入っていけない。浅薄でガッカリさせるだけなので。

オー・ワールドの製作中の話など

3分ゲーコンテストの結果が出ていた。

発表は12月の第5週との事だったので思ったよりも早い。

 

参加者及び投票数の少なさから集計が終わるのも早かったのだろうか?

結果は思った以上に伸びなかったなと言う印象。

 

その辺は仕方がないと思う。

「感情的な反発」と言うものは理屈を跨ぎ超えるものだ。

10年くらい続けていけば3位くらいには何時の日か入れるだろう。

 

オー・ワールドはいくつかの案と実際に没にしたプロトタイプの後に

即興で作られたものだ。

 

ゲームのエンジンとも言える部分は以前『プラットフォーマー試作』

としてこのブログでも紹介したものをそのまま流用している。

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このプラットフォーマー試作は「平成しばき合戦ガンポポ」と言う、

ミニゲームとして当初は平成最後の年に公開される予定だった。

実際は・・・そうはならなかったが。

 

そのままお蔵入りにするのも勿体無いので新作『忍者むん』として

再生する予定であった。だったらこの機会にまだ実装していなかった

処理をついでで作っておけば後で都合が良いだろう、と言う事で

このエンジン・・・自分は「しばきエンジン」と呼ぶこの試作物を

流用しゲームを作ることにした。

 

それがオー・ワールドのひとつ前の状態『ライスクライマー』である。

イスクライマーは茶碗に天盛りにされたライスを小人が昇っていく

・・・と言うような内容のゲームで、ゲーム自体はほぼそのまんま

アイスクライマーであった。その名残はオー・ワールドにもある。

(足場を作り、それを投げて進むと言った独自のアクションがあった)

 

しかしライスクライマーはゲーム的に複雑さがあって残りの日数では

どうも完成させられそうに無い。そこで敵や壊せる足場などを除いて

ジャンプ中心のミニゲームを考えた。それがオー・ワールドである。

(そしてこんな事を偉そうに書くので嫌われるのである)

 

オー・ワールドは当初はステージ内容は固定でアスレチック要素が

強いものを考えていたのだが、3分以内で昇りきれる高さの限界を

確認する為に、試しにすり抜け床のみを何段も配置してみたところ、

「ただタイミングよくジャンプボタンを連打するだけで意外と楽しい」

と言う気付きを得た。

 

今時のモダンなプラットフォーマーアクションの多くは2段ジャンプや

空中ダッシュなど、ショットやパンチ・キックなどの攻撃とは別の

アクション要素を付加したものが多い。はっきり言って蛇足だ。

肉よりも味噌や醤油やマヨネーズの配分が多いのだ。

 

今回は3分程度のミニゲームと言う事で、自分はシンプルに「肉」を

軽く振った塩で提供する事にした(スーパーで買える安い肉だが)。

 

シンプルなゲームにするとして「3分」と言う縛りはどう表現するか?

例えば10秒で終わるゲームは「3分ゲー」として相応しいだろうか?

このコンテストには3分と言うテーマがある以上、なんとしても

3分である意味づけは入れたい。クリア時間は腕前によって異なる。

なので・・・自分は3分きっかりのBGMで表現する事にした。

自分的なこだわりの「蛇足」だ。

 

シンプルなゲームに徹する為に(工期も短いので)その他の蛇足は

見送る事にした。崩れ落ちる壁や浸水と共に上って来る漂流物、

ストーリー性を感じさせる演出は構想時のアイデアとしてあったが

3分ゲーコンテストでは豪華で本格的なゲームが求められる訳では

ないので、このくらいの物量で十分だったと思う。

 

まだver1.0がリリースされていないのでこのプロジェクトは完了して

いないのだが、開発者としては十分満足のいく挑戦だった。

 

しかしユーザーは満足しないのだろうと思う。そこは仕方がない。

自分の実力が足らないのであれば仕方がない。また精進あるのみ。

 

さて、この記事はそろそろ終わるが・・・

 

オー・ワールドの感想、ありがたく読ませて頂きました。

タイトル画面の注意文に対して触れられた方がいましたが、

あの注意文はクレーム対策で付けたものです。

ですので、実際に災害の被害に遭われた方に対する配慮は

欠いていたかもしれません。

もしそう言ったことで不快に感じた方が居られたのであれば、

申し訳ありませんでした。

 

オー・ワールドが震災ありきのゲームではないと言う事だけは

伝えたいです。

アストロアザラク

昨日、予約していたアストロシティミニが届いた。

わーいわーいうれしーなー・・・なんて言うと思ったら大間違い。

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駄目なハードだとは思わない。収録タイトルもまあこんなもの。

値段も妥当。売り方も問題ない。

 

では、お主は何が不満なのだと言うと?

やたらとミニハードばかり買いたくないなぁ・・・と言う不満。

 

恐らく自分は今後同様の玩具が発売されたとしても、

次は買わないだろう。

(でもサターンミニやドリームキャストミニが出たら迷う)

 

だって・・・収録タイトルが違ったとしても、メガドライブミニ2や

メガドライブミニ3が発売され、それを購入したら基本同じハードが

購入台数分増えて、箱が詰みあがる。

 

オリジナルのメガドライブならば本体は一つあればいい。

(ただしソフトを買えば買うほど箱が増えていくのは一緒である)

 

でも、ミニハードは1台買うごとに本体が増え、パッドが増え、

ケーブルが増え、段々ごちゃごちゃとしてくる。

(同じシリーズのハードなら機器は共有出来るので不要なものは

片付ければ良い、と言うのはある)

 

例えば色違いやら型違いやらで沢山集めれば楽しいだろうと言うのも

分らなくは無い。

 

でもこう言うものはウン十周年の記念商品として、収録タイトルを

厳選し期間限定で出してこそ・・・ではないだろうか?

 

テレビに繋ぐだけでプリインストールされているゲームを遊べる

玩具は昔から存在している。ただそう言ったものは基本的に

子供向けの玩具であるし、価格も安い。

 

自分的にはミニハードよりもセガエイジスシリーズなどで、

個別でリリースしてくれた方がありがたい。

 

M2ショットトリガーズではデータイーストのタイトルを複数、

パッケージにまとめた物がリリース予定となっている。

単体でのリリースが難しいマイナー且つ人気も高くないゲームも

セットでならばリリース出来るという事は彼ら自身が述べている。

 

アストロシティミニは個人的にはAC筐体を象った面白いハード、

(高価で)かわいい玩具と言う事で不満は無い。

 

ただ、こんなのを沢山は買いたくないなという、ケチでビンボーな

理由で手にしてもそんなに喜べなかった。

 

出血大サービス、最初で最後だからこその赤字覚悟(好き放題言う)の

大盤振る舞いであって欲しい。ならばこそ、こちらも血涙を流して

喜んで迎え入れられると言うものだ。

 

ああ・・・アストロミニの感想なら他で読んどいてください。以上。

淡々・無反動にじり寄り

あともう少しで『オー・ワールド』のver1.0が公開出来るかなと言う

段階まで来た。

 

色々と構想時にあった要素で初期にはまだ入ってなかったものを

一つずつ実装して行っている。

 

何処まで作りこむかに制限があるわけでは無いので、続けるのか

完了するのかの判断は開発者次第だが・・・そもそもこのゲームは

コンテスト用に作った3分テーマのミニゲームなので更にステージを

足したり、アクションを増やしたり、新たにプレイアブルなキャラを

追加したりと言った事は一切しない。

 

ここだけの、このためだけのゲームなので当然なのだ。

3分ゲーの規約では有料販売しているゲームの体験版は参加不可と

なっている。だから仮にこのゲームをパワーアップしたものを

作った場合、これはプロトタイプであると同時にデモ版(体験版)

と捉える事も可能なわけで、厳密に言えばアウトとなる。

 

そんな余計な心配事もあり、これまでのコンテスト用のゲームも

その後の発展などはさせていない。全て今回だけのゲームだからだ。

 

この後も構想にあった要素で最終的に不用と判断したもの以外は

きっちりと実装させていく。

何故に、何の為にそこまでするのかと言う、疑問はある。

全てはユーザーの為・・・かもしれないし、単なるエゴかもしれないし、

使命感・責任感からと言えば一番収まりが良いと言う事もあるだろうし、

何と答えてもそれなりに説明は付くし、聞く側も最早どうでもいいだろう。

 

だが、自分の中で答えは一つしかない。

音楽に神(ミューズ)がいるように、ゲームにも神はいる(概念として)。

自分はゲームの神に奉納する為にゲームを作っている・・・と言うのが

答えだ。

 

ユーザー・お客さんに対しては極めて失礼な話だとは思う。

でも自分の考えるゲームの面白さと、多くの人の考えるゲームの面白さは

どうも違うらしいのでそう言う答えになっていくしかない。

 

世の中が求めてるのは「コレ」なんだよ、お客さんが喜ぶのは「コレ」

と言われても、自分が「ソレ」を良いと感じていない以上、自分に

「ソレ」を生み出す事は恐らく不可能だろうからだ。

 

自分の作りたいものを作る事は、全世界から孤立する事を指す。

それはもう仕方がない。誰しも嫌な事を強要されたくは無いだろう。

 

日本人でかつオタクであるならば、みんな「こういうもの」が好き

に決まってるよね?これが「俺たち」の求めていたものだ!!

「そうそう、こう言うのでいいんだよこう言うので」・・・

 

皆が喜ぶそぶりの中、たいていの場合は自分には響かない物なのだ。

多分そう言う類の変態なのだ。

 

なのでオー・ワールドも完成(ver1.0)まで持っていくけれど

「こうしてはどうか」「こうして欲しい」みたいなものは

申し訳ない、実現出来ません(多分特に言われてないと思う)。

 

3分ゲーコンテストの審査期間中に完成するかは分らない。

結局何が言いたかったのかと言うと、更に作りこんで行くから、

評価をするのは最後まで待ってくれと言う事ではなく、自分は

評価や人気に全く関係なく、構想通りに仕上げる為、淡々と

作業続けていくので投票予定の方は早々に済ませて良いよと、

そう言う感じのこと。ではごきげんよう

演技は擬似リアルを上回る。

サイバーパンク2077の序盤シーンの実況プレイを見ていた。

グラフィックの密度もさる事ながら、没入感をより高める為の

様々な作りこみに傍観者ながら圧倒される。

 

バグは多そうだが(実際その実況でも何度かクラッシュしていた)

ストーリーやキャラクター、世界観などはまさに自分の好み。

このゲームはいずれプレイしてみようと思う。

 

自分が見ていたのはPS4版だったのだが、世間的にはより上位の

PC版、或いはPS5版かシリーズX版を望む声が大きいのだろうが、

自分にはPS4版も十分に美しく感じた。

 

恐らくPS3版があったとしたら・・・いやPS2版であったとしても

同じように感じただろう。

 

自分の考える「世界の美しさ」や「実在感」はグラフィックスの

キメの細かさなどでは無いからだ。

 

そう言った物の多くは人物や或いは背景の『演技』から生み出される。

 

演技が本物ならばローポリでも書き割りの一枚絵でも、

その世界に満ちる空気中の粒子の一粒一粒から肌で感じることが出来る。

勿論個人差があるので「何も感じない」と言う方も居る事だろう。

 

映画と小説の差の様なものだ。

映像の美しさ・きめ細かさを「リアリティ」と誤認していたとしても、

それは作り手がそう感じさせるように仕組んだイリュージョンなのだから

当然だ。要は「どう楽しむか」の姿勢の差なのだ。

 

積極的に空想世界を思い描いていける人にとっては情報過多は反って

邪魔となる場合がある。その逆であれば情報はとにかく多い方が良い。

 

しかしそれは本当に「リアリティ」を求めてのものなのだろうか?

自分は思う。ゲームを遊ぶ人達の多くはリアリティなど求めていないと。

 

例えば銃を撃つゲームならば引き金の重さと発砲時の衝撃ときな臭さと、

命中時の悲鳴と血と臓物の臭いと倒れこむ衝撃と苦痛に歪む顔が欠かせない。

刀で切るゲームでも人をぶん殴るゲームでもそれは変わらない。

 

しかしその様なリアリティは、日本のゲームでは敬遠されている。

(勿論販売戦略におけるレーティング設定の問題もあるだろう)

つまり多くの人の望むリアリティとは『嘘』なのだ。

 

嘘に上手に騙される為には、それが嘘であると気付かないほど、

演出的にリアル且つ美しい映像が必要だと言う事だろうか?

 

自分は別にそんなものは望んでいないので、映像のきめ細かさには

こだわりは無い。むしろ演技こそを迫真のものにキメていて欲しい。

 

そう言う意味でもサイバーパンク2077の世界は魅力的に見えた。

 

 

※追記:PS4版のサイバーパンクがストアから削除されたとのこと。

自分はアーケードやパソコンのゲームとコンシューマーのゲームに

大きな差があった頃からゲームを見てきているので、オリジナル版と

移植版とで内容に違いがあっても気にならない。

 

ただそれはソフトウェアとして完成されていればの話で、まともに

プレイする事も難しいような状況では厳しい評価をされてしまう事は

仕方の無いことだと思う。

 

でも、キメの細かさ、物量・密度の低さが機種によって違う事を

低評価の理由にするのは的が外れていると思う。

 

AC版の源平倒魔伝を期待して買ったFC版の内容が全く異なる事に

腹を立てるのは仕方が無い。

 

高いお金を払って購入した商品に自身が期待し、求めていた体験が

含まれていなかったならば不満が出るのも当然だ。

しかしAC版の移植と勘違いしてFC版を購入したユーザーは恐らく

少ないはず。

 

サイバーパンクも次世代を想定したスペックを要求するゲームだし

現行機でのプレイは何かしら犠牲にしているものがあるのも当然。

更に言えばPS4版もXboxONE版も無料でPS5版やシリーズX版に

アップグレード出来る事は皆知っているはず。

 

不具合が頻出して快適にプレイ出来ないこの状況は直ぐにでも

解決されるべきだが、PS4やXboxONEで「出してはいけないゲーム」

ではない(別次元のゲーム体験ではない)とだけは釘を刺しておきたい。