遊ぶ為の作法ををば。
ゲームがさほど上手では無い自分が言っても説得力が無いかも
しれないが、シューティングゲームには『面白くする為の作法』
がある。
どんなに難しくても、この作法を心得ているゲームなら
何度やられても又チャレンジしたい気持ちになれる。
しかしそうでないゲームは例え難易度が低くても、もっと先を
見たいと言うような気分には到底ならない。
それは、描き込まれたグラフィックスでも素晴らしいBGMでも
オタク心をくすぐる演出でも無い。
『ゲームメカニクスとステージや敵配置との相性』だ。
もう少し詳しく言えばプレイヤーの攻撃手段及び防御手段と
プレイヤーの邪魔をしてくる敵や地形などがかみ合っているか
どうかと言う事である。
プレイヤーの邪魔をする地形や障害物が何も無い場所で一番
役に立つのは扇状に弾丸を発射する、所謂ワイドショット系だ。
逆に狭所で役立つのは正面に速射するものや地形に沿って進む
もの、或いは爆風で巻き込むスプレッド系などだろう。
地形の無い場所で地形に沿う武器があっても意味が無いし
狭い場所でワイド系の武器を持っていても活躍出来そうにない。
つまり、場面場面で役に立つ武器やアクションが用意されていれば
プレイヤーにとって有利だし、その逆も然り・・・と言う事だ。
普通に考えれば、複数の武器やアクションが用意されていれば
各場面で役に立つ武器がある筈だと思うのだが、ゲームによっては
それがそうでもなかったりするのだ。
特定の場面で強い武器が入手出来ればプレイヤーは有利になるので、
容易に先に進ませたくないと考える開発者はわざと相性の良い武器を
その面では取得させなかったりする。
そう言うものは時にゲーム設計においては必要な場合もあるのだが、
そもそもそのシ-ンに有利な武器やアクションが無い事もある。
これを開発者の意地悪と単純に言い放つのも早計、そもそもゲームの
面白さがどこからやってくるのか、その作法を理解していないからだ
・・・と言う可能性も考えられるのだ。
面白いゲームでは、武器やアクションを「上手く使う」事で難所を
スムーズに抜けられる。つまり解法は用意されているしプレイヤーが
工夫をする余地も残されている。
これがゲームにおける『遊び』なのだ。
面白くないと感じるゲームにはそれが無いかもしれない。
工夫しようにも使える武器やアクションは極端に限られているし、
そもそも敵の配置や攻撃もデタラメで明確な解法も無かったりする。
(ここで言う"デタラメ"とはランダム配置の事では無い)
これでは遊ぶ余地も無い。
面白くする作法とはプレイヤーへの接待とも言える様な過剰な
演出サービスではなく、プレイヤーを遊ばせる為の10手先の気配り
なのではないだろうか・・・など思う。