カベジマ研究所2

Legasyswareのゲーム開発と日常をゆるく適当に綴っていくブログ

ゲームのアイデア帳・構想と方針の立て方

ゲームのアイデア

不定期連載であるこのコーナーは青嶋荒作の考えた「妄想ゲーム」や、
個人でのゲーム作りにおけるちょっとしたコツなどを毎回記事にしております。


さて、久々のゲームのアイデア帳、今回は『ゲーム構想と方針の立て方』
と題しまして、ゲームを作る前の、準備段階での考え方を纏めてみたいと思います。
・・・まあ素人が何だか偉そうなことを言ってますが、素人ゆえ、ご容赦下さい。


最初に断っておきますと・・・この一連の「ゲーム作りのコツ」シリーズは
「ゲーム作りをまだ一度も経験されていない方」を主な対象としておりますので
十分経験を積まれている方は読み飛ばしてくださって結構です。


では今回はオリジナルのゲームを一から考えてみる場合を考えてみましょう。




1)ゲームとは何だろうか?

ゲームとは何か・・・?皆さんは考えた事がおありでしょうか?
ここでそれを論ずるには、あまりにスペースが足りませんので割愛させて
いただきますが、ゲームを作ろうと考える際に必ず通らねばならない門ですので
少しだけ考えてみましょう。


先ず、あなたがゲームを作ろうとする動機は何でしょう?
・・・様々あると思われますが、「やってみたい」と言う気持ちが有った事だけは
間違いないですよね?自分が楽しむ為か、周囲を楽しませたいのかはともかく、
それが面白そうだからやってみたい・・・と感じる事が先ず大切です。
そうでないと・・・この先に待ち受けている数々の苦行は乗り切れません。


「ゲームを作ることは楽しい」と思ってください。思い込んでください。
それを前提として進めていきますよ?では・・・ゲームとは何?
スーパーマリオ」「モンハン」「ポケモン」「モータルコンバット完全版」など
それぞれに思い描く「ゲーム像」があると思います。


作ろうとしているのはPCを使って作るゲームですから机上で行うボードゲームなど、
テレビゲーム以外のゲームは除外しますよ?


ゲームとは・・・『決められたルールを厳守する遊び』だと思われます。
おもちゃや遊具にはこうしなければならない・・・決められた遊び方なんて
ないですよね?でもゲームには「してはいけないこと」が必ずあります。
その「してはいけないこと」の条件を満たした場合が・・・即ちゲームオーバーです。


つまり、ゲームとは「してはいけないことをなるべくしないように頑張る」
遊びであると考えて良いでしょう。と言うことは・・・ゲームを作るときに、
先ず最初に決めなければならないことは・・・「どうしたら良いか」では無く、
「どうすると駄目なのか」と言う基本のルールです。
(終わりがないものは流石にゲームとは言い難いからである)


勿論これが全てではないでしょうが、説明するのに一番手っ取り早いと思います。
何故か?それはアイテムを「回収」するゲームよりも「回避」するゲームの方が
プログラム量が少なくて済むから・・・です。他の例でも概ね同様です。


回収するゲームの場合、ゲームオーバー条件がやや複雑になります。
「一定時間以内に次のアイテムを回収できなければミス」とか
「一つでも回収し損ねたらミス」であるとか、必ず判定を行わなければなりません。
回避するゲームであれば「衝突したらミス」・・・この条件だけですからね。
先ずはこんな感じで単純な条件付けのトレーニングをしてみてください。


さて、「してはいけないこと」が一体何であるのか?それが決まれば自ずと
「しても良いこと」も輪郭が見えてきます。


つまり「してはいけないこと」と「しても良いこと」は表裏一体です。
これが最低限のルールであり、ゲームにとって不可欠の要素です。
これが決まれば、先ずはゲーム製作準備段階の1番目をクリアしたと言えます。


『何をしたらミスで、何をしたら得点か(ルール)を考えよう!』



2)どんなテーマを与える?

次に考えるのは見た目や物語など、ゲームの方向性を左右するデザイン部分です。
・・・ここで言う物語とは、取扱説明書の最初のページにある「STORY」などと題される
文章のことでは無く、大まかな舞台設定の事です。要は「テーマ」です。


1)と2)は前後しても構いませんが・・・ゲームの概念を考える上に於いては、
見た目は「後付け」の方が理解しやすいと思います。
ではテーマを考えてみてください。ここでは特に例を挙げません。


1)でルールを決めていますから「是=何かを集める」「否=何かに衝突する」
・・・であったならば、プレイヤーが操るのは人や動物であったり、或いは
車やヘリコプターなどの乗り物かもしれません。


自分が操作するキャラクターは、果たして一体何者であるのか?
(テーマやルールによってはキャラクターがいない場合も有り得ます)


・・・それが決まれば必然的に舞台設定も決まってこようと言うものです。
(キャラクターが“車”なのに舞台が“水中”と言うことは通常無い筈ですから)


テーマが見えてきましたか?
多くの場合、「こんなゲームが作りたい」と言う具体的なイメージは最初から
持っていると思いますが、トレーニングだと思って首をひねって考えてみてください。
これが第2段階です。


『どんな舞台にどんな出演者がいるのか(テーマ)を考えよう!』



3)そのゲームをイメージ出来るか?

ゲームを作る前の準備段階の最後は「イメージする」ことです。
このコーナーで取り扱っている「妄想ゲーム」を、今度は皆さんで考えてみてください。


1)、2)でゲームのルールと舞台・キャラクターを考えていますから、後は簡単です。


「この舞台上で、このキャラクターが、こうしたら得点になり、こうなってしまったらミス、
こうならばハッピーエンドで、こうならばゲームオーバー・・・」


・・・イメージできましたか?
頭の中で想像したゲームは・・・面白そうでしたか?


今回の流れで考えたゲームは、恐らく非常にシンプルでミニマムな
ものでしょうから、あなたが・・・真に作りたいとの願望を抱いている
そのゲームと比較したら「とても面白そうには思えない」かもしれません。

ですが、それは「真に作りたいと思う作品」にしても・・・同じです。
ゲームと言うのは一つのアイデアだけで出来ているのでもなければ、
カッコいい・可愛いキャラや萌えの要素で出来ているのでもない。


テーマとルール、この両の車輪を回転させる動力・・・それこそが
ゲームを作る上で最も重要な「構成力」であるからです。


上記の「構想」が練れたならば、それをどう形にしていくかの
「方針」を立てなければならない。その方針こそが「イメージ」
と言うわけです。


面白いイメージが沸き起こらなければ・・・面白いゲームには
ならないかもしれません。ある種の“勘”の様なものでもありますから
初心者にはそれこそ「イメージする」なんて難しいのかもしれません。


ですが、先ほどから何度か記述したように、トレーニングだと思って
我慢して実践してみてください。上手くは行かないかもしれません。


ですが・・・ゲームの仕組みを考える時に、きっと役に立つはずです。
何故ならば、ゲームを作ると言う作業は常に「理論との戦い」だからです。


プログラムを組むわけですから当たり前と言えば当たり前なのですが、
論理的に物事を考えるクセを付けるということは、とても重要です。
『ツクール』などのアプリケーションを使って作る場合も同様です。


「イメージ出来る」ことこそがゲームを完成まで導く為の標識なのです。
そのイメージを貧相に感じたのならば・・・自由に肉付けしてみましょう。
一見さして面白くも無さそうなイメージを肉付けして面白く変えていくのも、
また面白いと思います。


『考えたゲームを想像の中で動かして(イメージ)みよう!』



さて・・・ここまでが準備段階です。この先は方針に従い実際に作るだけ。
ここからは、あなたの努力次第です。健闘を祈ります。